前回は、「デジタル化」ができない現状と理由を考えてみた。その改善策を考えるために、まず今回は「正しいデジタル化」の手順を学んでみる。 恥ずかしながら、「デジタル化の手順」を学んだことがないので、GPTに聞いてみた。
GPT曰く以下の通り。
この手順は実に興味深い。
「2.課題を抽象化する」とは、どういうことなのか。なじみがないことなので、GPTに聞いてみる。このステップが、既存の仕組みを変える発想の原点だと感じたので、詳しい説明をGPTにお願いした。少し長いが、一緒に味わってほしい。
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「課題を抽象化する」手順は、具体的な問題を一般的な視点で理解し、解決のための本質的な要素を明確にするプロセスです。この手順を具体例に沿って、わかりやすく説明します。
1. 現状の問題を詳しく把握する まず、業務の中でどの部分に問題があるのかを深掘りします。具体的には、現場のスタッフや関係者からヒアリングを行い、どこで時間がかかっているのか、何がボトルネックになっているのかを見極めます。 具体例 商品発注業務で、担当者が手動で在庫数を確認し、発注書を作成しています。時々、誤った情報で発注してしまったり、発注遅延が発生したりしています。この状況が問題とされています。 抽象化のために考えるべき質問: ・「なぜ発注遅延や誤発注が起きているのか?」 ・「手動で確認する必要があるのか?」 ・「どの部分でエラーが発生しているのか?」
2. 原因を突き止め、根本的な課題を特定する 次に、現場で起きている問題(例えば、誤発注や遅延)の根本原因を抽象化します。具体的な行動(「発注書を手動で作成」)だけに目を向けるのではなく、その背後にある「なぜその行動が必要か?」を考えます。 具体例 手動で発注書を作成するのは、過去の在庫管理システムに依存しており、そのシステムが自動化されていないからです。エラーが発生する理由は、スタッフが複数の情報源から手動でデータを収集しているためです。 抽象化する視点: ・「業務フロー全体で、情報を手動で集める必要があるのはなぜ?」 ・「手動作業が引き起こすエラーの本質は、情報の取得や管理に関わる部分が多いためではないか?」 ・「自動化できる部分はどこか?」
3. 課題を広い視点で捉え、抽象的な問題に昇華する 今度は、具体的な問題(発注書の手動作成)を、業務全体の流れや企業のプロセスに照らし合わせてみます。これによって、「手動で作業を行う」という個別の問題が、もっと広い視点で捉え直されます。 具体例 発注業務の手動作業が発生しているのは、システム全体が連携していないため、在庫の状況をリアルタイムで把握することができないからです。これは、業務の流れが「情報の更新が遅い」「一元管理されていない」という根本的な課題に起因しています。 抽象化する視点: ・「情報の更新や管理が遅いという問題は、業務の他の部分にも影響を与えているのでは?」 ・「業務全体が情報の流れに依存しているため、情報管理のシステムを改善することが重要では?」 ・「発注だけでなく、在庫管理や受注プロセスも効率化すべきでは?」
4. 問題を抽象化した上で、改善すべき「本質的な課題」を特定する これまでの手順を踏まえて、問題の本質的な部分を抽象化して特定します。ここで重要なのは、具体的な問題解決にとどまらず、全体の業務フローに関して根本的な改善点を明確にすることです。 具体例 商品発注業務の遅延や誤発注を解決するための本質的な課題は、「情報管理の効率化と自動化」です。これにより、手動作業を減らし、リアルタイムで在庫情報を反映できる仕組みを導入することで、業務全体を効率化できるという視点に立つことが重要です。 抽象化の視点: ・「情報のリアルタイムでの把握と共有が不足しているため、業務が遅れたりエラーが起きたりしている」 ・「業務の効率化には、全体的な情報管理システムを改善し、在庫や発注のプロセスを自動化することが鍵である」
5. 新たな解決策を設計する 課題を抽象化した結果、業務を効率化するためには「リアルタイムで情報を管理・共有できる仕組み」を導入することが最も効果的だとわかります。具体的な手段としては、在庫管理システムと発注システムを統合し、発注の自動化を進めることが考えられます。 具体例 ・課題抽象化後の解決策: 「発注業務を自動化するために、在庫管理システムと連携できるERPシステムを導入し、情報をリアルタイムで把握し、発注のプロセスを効率化する。」
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「課題を抽象化する」という手順・考え方が、現場の具体的な問題をただ解決するだけでなく、その背後にある本質的な問題を洗い出し、業務全体の仕組みを根本から見直す取り組みになっている。これが、「デジタル化」の一つの本質ではないだろうか。
このメッセージは、「現場の改善」という哲学ではなく、会社を俯瞰して大空の上から眺めることで全体の仕組みを合理化しようという哲学であり、両者は全く違う発想になっている。 言い換えれば、個別の業務の具体的な改善という視座ではなく、会社全体、ひいては、外部との関係先も含めた大きな視座での問題解決を行うことがデジタル化の本質なのだ、と気がつく。 とすれば、日本企業が大事にしてきた「現場の改善」という思想だけでは、本質的なデジタル化には取り組めない、ということになる。さらに言えば、各事業部門での改善活動という経営方針を、コーポレート部門が会社全体の視点で「デジタル化」を進める経営方針に切り替えることが必要だということになる。
さて、次回も「抽象化」の議論をさらに進めていこうと思う。
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