2025年3月3日、赤坂インターシティコンファレンスにて、DBICとIMDによる特別セミナーが開催されました。本セミナーでは、世界の先端企業がどのようにリーダーシップ開発(L&D)を活用し、組織のパフォーマンスを最大化しているのかをテーマに、IMDカスタムプログラム開発ディレクターのマリア-ルイザ・ニグレリ氏を招き、インタラクティブなセッションが行われました。今回のセミナーには、30名が参加し、盛況に終えることができました。
セミナーでは、グローバル企業のリーダーシップ開発において特に重視される6つの課題が紹介されました。「事業モデル、マインドセット、リーダーシップの変革と両利きの実現」「事業戦略や経営の文脈と育成の連結」「後継者パイプラインの整備加速」「組織へのスケール」「個人と組織に対応する学習手法のデザイン」「育成施策の投資効果の測定」といった重要なポイントを中心に、参加者同士が意見を交わしながら学びを深めました。 IMDのマリア-ルイザ・ニグレリ氏より、IMDが提供する「学習体験のデザイン(Learning Journey)」についての説明がありました。企業がリーダーシップ開発を設計する際、個々のリーダーに適したカスタマイズを行い、AIやデータを活用して学習者ごとに最適なプログラムを提供することの重要性が語られました。また、IMDが重視する「アセスメント & コーチング」では、企業のリーダー候補に対して360度評価を活用し、現状のスキルやポテンシャルを可視化することで、単なる知識習得にとどまらず、自己認知を高め、実践につなげるプロセスが強調されました。さらに、AIを活用することで、より精度の高い人材育成が可能となり、リーダーが学習プロセスを記録し振り返る「ジャーナル」の活用が、フィードバックの質を向上させる点も紹介されました。 セッション後半では、日本企業におけるリーダーシップ開発の取り組みや課題について、インタラクティブな形式で参加者が積極的に発言し、自社での実践方法や課題について共有しました。特に、「リーダーシップ開発のパーソナライズ」「データ活用とガバナンスの課題」「DX推進と組織変革」に関する議論が活発に行われました。日本企業では一律の研修が多い中、個々のリーダーに適した学習体験の設計が求められており、AIを活用した学習が注目される一方で、データ管理やプライバシー保護の観点から慎重な対応が必要とされる現状が浮き彫りになりました。DXを推進する上で、リーダー自身が変革を体験し、それを組織に落とし込むプロセスが重要であるとの意見も多く聞かれました。
本セミナーでは、「経営が熱意を持って取り組むことが、組織の成長と変革の鍵を握る」という点が強調されました。企業文化を醸成し、強い想いを共有することが、リーダーシップの成長と持続的な学習環境の構築につながります。変革は単なる施策の積み重ねではなく、組織全体の文化として根付くことで初めて実現し、それが最終的にビジネスの成長へとつながるという視点が示されました。
本セミナーを通じて、グローバル企業が取り入れる最新のリーダーシップ開発の手法と、日本企業が学ぶべきポイントについて理解が深まりました。 DBICでは、日本産業を牽引するDBIC会員企業同士が、知見を共有し、高め合う場を創出していきます。今後も、最新のリーダーシップ開発手法やテクノロジーを活用し、企業の競争力強化につながるプログラムを展開していく予定です。
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