日本企業の「人財育成」の考え方を大きくイノベーションするべき時が来ている。それは、20世紀に求められた人財と、先が読めない大きな変化の中にある今の時代に求められる人財とが異なるからである。以下、5つの視点から「人財育成」の変革の方向性を考える。
企業の「変革」を企画しリードする「トランスフォーメーション人財」を育成することが企業の生き残りの条件である。 デジタル技術の飛躍的進化、SDGs・ESG投資などの地球規模の社会課題の出現、Z世代などの人々の感覚の変化など、様々な分野で今までとは大きく異なる変化が世界レベルで起きている。この課題を、DX担当、ESG担当、マーケティング担当というように事象別にとらえるのではなく、それらを総合的に勘案した「新しい企業像への変革」を企画し実現する「経営」なくして生き残ることはできないだろう。すなわち、地球という社会の中での「自社の存在意義」を熱い想いで言語化し、その方向に全社を挙げて変革し続ける「経営」が必要である。しかし、現状の日本企業を見てみると、20世紀の成功体験から脱却できずに、大きな変化に対して小手先での「対処」に終始している状況にある。故に、DXで成功している企業はいまだに見当たらない。
従って、過去の成功体験を脱ぎ捨てて、新しい時代の企業像をイメージできる人財が必要である。そのような「トランスフォーメーション人財」を「新たな発想」で育成することが必要であり、そのためには今までの「人財育成」の考え方そのものを大きくイノベーションする必要がある。
「トランスフォーメーション人財」は、「全社員平等な研修」からは生まれない。特別に意識した育成プログラムを実施して、突出した人財を育成することが必要。
「トランスフォーメーション人財」を育成することは、経営戦略の最重要課題であり、「DX推進室」や「社長直轄の部署」が担当することが望ましい。この人財育成から「変革」は始まるので、どのような人財をイメージするか、どこと組むかなどの議論も重要で、経営戦略の一部として検討することが求められる。「社員研修」の一部としてとらえたり、外部に丸投げしたりしてはならない課題である。
学びのモチベーションは、畏敬の念を抱く方から学ぶことで大きく膨らんでいく。従って、誰から学ぶかも極めて重要なポイントである。例えば、グループ内の研修会社に委託する方法では、全く違う文化からの刺激を受けることができない、あるいは緊張感が緩みやすいなどの理由で、効果は薄いと言わざるを得ない。
DBICでは、「トランスフォーメーション人財」を育成する統合的なプログラムである「DX QUEST」をこの8月から提供している。また、個別のカリキュラムの提供も行い、各社の人財育成の戦略に合わせてご利用いただくことも考えている。 ぜひ効果的にご活用いただきたい。
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