2025年4月8日、企業変革実践シリーズ第34回「行動支援の時代 ~アフターデジタルで変質する顧客提供価値~」を開催しました。
株式会社ビービット(beBit) 日本リージョン代表の藤井保文氏にお越しいただき、行動データと行動支援を通じた顧客視点での成功体験実現を目指すための考え方についてお伝えしていきました。
前半は、藤井氏より顧客提供価値の本質について共有していただきました。
まず、今回の顧客体験価値を語る上で大前提となる、「アフターデジタル」の現状についてです。現在の様々な活動・体験では、オンラインがオフラインの体験を飲み込み、どこにいても常時オンラインに接続されている世界となっています。
そのため、データの取得が以前と比べて細かくできるようになり、日常の行動が、どんな動機で、何のために行われているのかといったインサイトまで読み取れるレベルになってきています。
データの細かい取得とともに、サービスデザインが日々ブラッシュアップされており、データ取得とサービス提供が両輪となりフィードバックループが回りサービス改善が進んでいくのが理想だと語られました。
続いて、インドネシアの生活インフラともなっているスーパーアプリ「Gojek」を事例として紹介し、定着した要因について深掘りしました。
Gojekは、バイクドライバーが食事や荷物、人などあらゆるものを運搬してくれるサービスです。このアプリが広まった背景は、ドライバー教育や経済成長・交通渋滞事情など様々な理由があります。特に大きなポイントとして挙げられたのは、アプリ利用者の社会課題ならぬ、より身近で肌感を持った「社会ペイン」を相互に解決に導いたことにあります。
Gojekアプリには、商品を受け取る顧客、配送を担うドライバー、商品を提供するマーチャント(商店)の三者が関わっています。
それぞれの立場での困りごと、いわば「社会ペイン」を、それぞれの持ち味を生かして相互に関わりながら解決を図っていく、三方よしのビジネス展開となっているといいます。
その後、質疑応答へと入り、DBIC共同代表 横塚からのコメントや質問も交えながら、参加者からの質問にも藤井氏に直接お答えいただきました。
特に現場で新規事業を展開している方のお悩みや、今回のテーマである顧客提供価値を高めることに対するビジネス上での考え方など、実践している方のお悩みにも触れ盛り上がりを見せたセッションとなりました。
ここで参加者からいただいた感想を一部取り上げます。
今回の講演を通して藤井氏は、顧客視点の徹底と、それぞれの立場の「社会ペイン」を探り解決に導くビジネスモデルを考えていくことの2点が重要だと、様々な事例を交えながら繰り返し伝えておられました。
企業側でサービス提供していくとつい忘れがちになる、顧客視点の重要性を会員企業の皆様と共に再認識した有意義のあるセミナーとなりました。
【横塚裕志コラム】顧客視点とは何か・・社会課題と社会ペインの違い
顧客視点や顧客提供価値についてもっと深めたい方は、今回の企業変革実践シリーズについて横塚裕志コラムでも取り上げていますので、是非ご覧ください。
DBICでは今後も会員企業の皆様にとって変革のヒントとなるプログラムを提供していきます。
今後も是非ご参加よろしくお願いします。
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