欧米から入ってくる概念、例えば「COO」とか「リスキル」とかが、日本では大きく違った意味合いに変容されて広まっているという事実を最近知った。これでは、日本企業の行動がゆがんでしまうのではないか、という懸念を感じ、その状況を考えてみることにした。
外資系の企業の方から教えていただいたのだが、COOの意味が欧米と日本では大きく違っているようだ。以下、GPTで調べた。
ある人事評論家の発言を聞いてGPTで調べてみた。
私が持っていたイメージも、まさに「日本のイメージ」そのものだったので、欧米とは大きく違うということに驚いた。COOは「効率運営」に対して「変革主導」、リスキルは「座学」に対して「実務中心」と、本質的な意味合いが異なっていることにショックを受ける。なぜ、私たち日本人はこんなにも違って認知しているのだろうか。
さらに不安になるのは、これ以外の言葉も多くは違う意味合いで日本が捉えているかもしれないということだ。経営のアジリティ、データドリブン経営、ダイバーシティ、well-being、ジョブ型、心理的安全性、などなど、GPTで調べてみると、すべて日本独自の理解に変容しており、欧米の趣旨とは違っている。
GPTに聞くと、以下のような構造的な社会現象が起きていると理論的に説明できるらしい。
しかし、これは由々しき事態だ。社会現象とはいえ、このまま放置しておくとさらなる日本の劣化を招くと思われる。その理由は以下の二つだ。
もちろん、欧米の概念がすべて正しいと言うつもりはない。また、日本流に変容させることをすべて否定するわけでもない。
しかし、少なくとも、欧米が取り組んでいることの本質を理解せずに、変容された日本流の概念だけを鵜呑みにして、「変わったふり」連合の一員となっているようでは、日本企業は進化できないだろう。
日本企業がグローバル競争で後れを取っている一因は、海外の成功戦略や概念を「正確に理解せずに、都合よく変容・無害化してしまう学びのスタイル」にあると考えてもいいのではないだろうか。
「概念の変容現象」という洞窟から脱け出るためには、私たち個人が「本質を学ぶ」という基本姿勢に立ち返ることが必要なのではないだろうか。
私たちは、巷の情報はすでに変容しているとの認識を持ち、常に疑いの目で捉え、本物は何かを自分の心で感じるまで、真摯に本質を追求する態度・構えを持つことが重要なのではないだろうか。
「デザイン思考」はポストイットを使えばいいんでしょ、とか、「ダイバーシティ」は要は女性登用でしょ、とか、薄っぺらい認知で済ますのではなく、それぞれが持つ本質的な意味を自分で深く理解する態度が何より必要だ。そうでないと、洞窟生活に甘んじた怠惰にはまることになる。
本質を学ぶためには、例えば以下のような態度が必要だろう。
DBICは、そういう「学び」を応援したい。
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