2026年5月にスタートした「UNLOCK QUEST 2026(上期)」は、8月8日、熱海での「アクション・デザイン」合宿をもって一つの区切りを迎えました。UNLOCK QUESTは、変革の方法を学ぶだけでなく、自分自身の価値観や問題意識を見つめ直し、会社や役職の枠を越えて、現実の一歩へつなげる実践型プログラムです。ここからは、15名の参加者それぞれの実践が中心となります。本稿では、ここまでの歩みと、参加者に生まれた変化を中間レポートとして紹介します。
2026年度は、従来のマインドセット探究をさらに深めるため、プログラムを大きくリニューアルしました。脳の働きやストレス下での反応、感情・認知・身体・行動のつながりを、理論と実践の両面から探究。参加者は知識を得るだけでなく、自分がなぜ動けなくなるのか、どのような状態なら本来の力を発揮しやすいのかを、実感を伴って理解していきました。
こうした学びは、AI(人工知能)の仕組みを理解し、他者の心理状態や背景を捉えながら、コミュニケーションの質を高めることにもつながります。また、日本舞踊から学ぶ所作と意図、EQによる感情理解、心理・行動のメカニズム、声や身体の使い方、コミュニティ・デザインなど、多様なテーマを一つの実践体系として統合しました。
毎回のセッション後には、AIメンタリングを使って気づきを整理し、次の具体的なアクションを設定。AIは答えを代わりに出す存在ではなく、自分の考えを映し、問い直すための「鏡」として活用しました。日々の実践と振り返りを繰り返すことで、参加者自身の変容・成長だけでなく、チームメンバーや周囲との関係にも変化が広がり始めています。
UNLOCK QUESTの本質は、誰かから正解を与えてもらうことではありません。会社、役職、評価、過去の成功体験に無意識に適応してきた自分を見つめ、「私は何を大切にし、誰と、どのような未来をつくりたいのか」を自分の言葉で選び直すことです。
参加者からは、仕事と人生がつながり始めた、感情を抑えるのではなく次の行動を知らせるサインとして捉えられるようになった、自分で抱えるのではなく仲間や若手へ任せたい、異なる企業の人との対話によって世界の見え方が広がった、といった気づきが共有されました。参加者の言葉やアウトプットを継続的に分析すると、内省を深める段階から、誰かと小さく試す段階へ移りつつあることも見えてきています。
一区切りとなる「アクション・デザイン」では、熱海で合宿を行いました。初日は、参加者が3か月間の変化と未来への意思を動画で表現し、互いの背景や思いを対話で掘り下げました。さらに、ボイストレーニングとヨガを通じて、姿勢、呼吸、声など身体の状態が、感情や他者との関わり方に影響することを体感しました。
最終日は、ファシリテーターやAIの答えから一度離れ、参加者だけで、今後も残したい関係、試したいテーマ、選ぶこと・選ばないことを対話しました。理想のチームづくり、経験知の継承、地域や自然を生かした場づくり、食と健康、新しい事業やコミュニティなど、それぞれの次の一歩が生まれています。
今後は、個別1on1、日々のセルフコーチング、参加者同士の対話を続けながら、小さな実験を現場で動かします。大きな成果を急ぐのではなく、自分で選び、周囲へ働きかけ、結果から学び、次の行動を更新する。その積み重ねを、個人の変化から組織と社会の変革へつなげていきます。
DBICディレクター 渋谷 健
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