【レポート】イノベーションのためのファシリテーション・ブートキャンプ(2017年8月期)

1日目ははDBICディレクター渋谷健によるイントロダクションからスタート。基礎となるファシリテーションの定義、場づくり、目的が解説されます。 特徴的なのはそのスタイル。まず参加者が個人で付箋にキーワードを書き、次に全員分の付箋を床や壁に貼って皆で観察し、最後にグループに分かれてその内容について語り合う、という手順を反復しながら、概念的なテーマが徐々に「自らの職場で必要とされるファシリテーション」に具体化されていきます。 和やかな会場の雰囲気が一変したのはランチの後。「NINJA & SOLDIER」という短編アニメーションを鑑賞したときです。アフリカのレアメタル採掘抗争に巻き込まれる少年兵の姿に参加者一同は言葉を失いました。 渋谷は「このレベルの複雑性が世界に山積しています。複雑性を目にすると思考停止するのが自然な反応ですが、そこに踏み込むのがファシリテーターの仕事です」と語ります。 北九州のコワーキングスペース「秘密基地」における渋谷自身の経験を事例に「後ろにパスを出せる仲間がいるという関係性と、ゴールするのが自分でなくてもいい、という思いがあれば複雑性を超えることができる」と、ラグビーに例えた方法論が提示されました。 2日目のテーマは「ファシリテーションに必要なセンス」。初日に学んだ「複雑性を乗り越えるために、無意識の制約を外す」ためのマインドセットを具体的なワークを通して体験していきます。 午前中はふたり一組でパートナーの話をじっくり聞いて分析し、ワークシートに詳細にまとめあげるプロセスが反復されます。 参加者からは「自分と同じことをみんなが不安だと思っていることがわかったことで、不安が和らいだ」「初日の付箋を使ったワークではわかなかった他の参加者のコメントの意味が、今日はわかるようになった」といった感想が出始め、連帯感が芽生えたことがわかります。 いよいよ渋谷から「ファシリテーションをいかに実践していくか?」がテーマとして提示されると、参加者は「せっかく出会えたこのコミュニティをどうやって維持、活用していけるか」という話題で盛り上がります。 締めくくりはファシリテーション実践者としていかにコミットするか、そしてファシリテーションの知見を周囲に伝えていく手法についてのワーク。プログラムの終了が近づくと参加者からは「楽しかった」「もっと話しかった」といったポジティブなコメントが続出。 会場の中央に集まった参加者の間で自発的に自社のリアルな課題のシェアが始まり、時間を忘れて共感や励ましをし合う姿が印象的でした。 参加者は明日から現実の職場でファシリテーションに向き合います。1年後、また同じメンバーで集まって振り返りイベントを行うことを約束し、2日間のプログラムが終了しました。

関連リンク

・イベント告知ページ

他のDBIC活動

他のDBICコラム

他のDBICケーススタディ

一覧へ戻る

一覧へ戻る

一覧へ戻る

このお知らせをシェアする