【レポート】DBICスクラム研修:イノベーションを起こすためのチーム運営

講師は日本人で唯一の認定スクラムトレーナであるOdd-e Japan代表取締役の江端一将様。初日はプロダクトオーナー、チーム、スクラムマスターの3つの役割から構成されるスクラムの基礎を学びます。 江端一将様 講義が始まった途端に「問題の解決ではなく、発見にフォーカスしているのがスクラム」「スクラムにとって最重要なのは透明性」「透明性は0か100かでしかなく中間は存在しない」「アメリカ政府による新規事業は300万人規模でもスクラムを使う」といった刺激的なキーワードの連発です。 極めつけは「スクラムではプロジェクトマネージャーは要らない」! 戸惑う参加者も多い中、実際にプロジェクトマネージャーの仕事をリストアップし、それらがプロダクトオーナーまたはチームの役割に振り分け直されていくエクササイズを体験することで、会場の雰囲気が変わっていきます。 その後も「納期と内容が決まっているプロジェクトこそ、ウォーターフォールではなくスクラムを採用すべき」「『アジャイルやってます』は『青春やってます』と同じ」といったパワフルなメッセージを通して参加者のマインドセットが変革し始めたところで初日の幕が閉じました。 2日目のテーマは「スクラムマスター」です。「もし自分は過去にBという手法を選んで失敗した経験があるのに、チームはその経験がなくBをやりたがっているとしたらどうしますか?」という江端様からの問いかけからスタート。 スクラムマスターに最重要なのは「Humble(真摯)であること」であり、それは「こだわりを捨てること」を意味します。チームにどんな指示を出したかではなく「どれだけ自律的なチームをつくれたか」で評価されるのです。 それを体感するために参加者は「ステップ」と呼ばれるエクササイズを皮切りに、ときには歓声が上がるようなユニークなワークを通して、コミュニケーションコスト、絶対見積りと相対見積りの違い、「Undone(未達成事項)」の徹底管理、そしてシステム思考までを体験し、スクラムマスター編が終了しました。 最終日は「プロダクトオーナー」について学びます。スクラムチームのROIを最大化するのが役割で「好奇心」と「決断力」が求められるこの役割。江端様からは「プロダクトオーナーが椅子に座っていたら椅子を蹴りましょう」という格言が紹介され、情報収集の重要性が強調されます。 参加者からの要望を受け、レゴを題材に優先順位付けのエクササイズを中心にプログラムが進みます。マーケットを代表するプロダクトオーナーとして「How」を語りたがるチームに対し、徹底的に「What」でアプローチする必要性とその意味を、さまざまなワークを通して参加者は繰り返し学んでいきます。ベロシティによるチームの開発速度の計算エクササイズにも時間を割きました。 研修のフィナーレは参加者の要望により「スクラム体験」を実施。ふたつのスクラムチームに分かれ、一方は船、もう一方は建物をレゴで構築するプロジェクトがスタート。スクラムのセレモニーを踏みながら、30分のスプリントを2セット実際にまわしていきます。 いざ実践となると、最初はプランニングに悩んでしまい手が動きません。2回目のスプリントでようやく形がつくられていきますが、、、研修を締めくくる最終成果物がどうなったかは写真でご確認ください。 3日間を通してスクラムを学ぶにつれ、参加者から「自分の職場にはどう当てはめたらよいか」「もしクライアントがこう言ってきたら」「基本設計から逸脱してしまったら」「計画通りに進捗しなかったら」といった、リアルな質問が自然に増えていくのが印象的でした。そして、どんな質問にも瞬時に回答される江端様はまさに「師匠」のようでした。 参加者の皆様にとっても「目から鱗が落ちまくる」3日間になったのではないでしょうか。

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