【レポート】「対デジタル・ディスラプター戦略」出版記念 デジタルビジネス・カンファレンス2017

冒頭にシスコ社の今井俊宏センター長および鈴木和洋専務から、シスコ社イノベーションセンターの取り組みと、日本企業が必要なマネジメント変革についてのイントロダクションがありました。 続いてIMDのマイケル・ウェイド教授、シスコ社CDOのAndy Noronha氏から熱意あふれるビデオメッセージが放映されました。 そして基調講演の1人目は早稲田大学の根来龍之教授。従来のビジネスがデジタル化することは脅威ではありません。しかし、そこで価値の変化が起きたり、新しい価値が生まれることが脅威になります。デジタル新聞を例にすると、NewsPicksは単に記事をデジタル化するだけではなく、記事に対する有識者のディスカッションを巻き起こすことにより、新たな価値を生みだしています。ディスラプターに対抗するためには、この「価値」を理解して戦略を考える必要があります。 基調講演のふたり目はDBICの西野弘副代表。自身がスウェーデンやシンガポールで得た知見を元に、様々な角度からいまの日本企業が置かれている状況を説明し、まずは「自分にとって不都合な事実に直面すること」そして「挑戦を良しとする文化に変革すること」の大切さを強調しました。 最後にIMD北東アジア代表の高津尚志氏をモデレーターにお招きして登壇者によるパネルディスカッションが開催されました。参加者への質問を織り交ぜながらのインタラクティブなディスカッションで、特に印象に残ったのは「日本企業のトップはコールセンターの現場に来ない」というエピソード。 先進企業ではトップが顧客接点の最前線であるコールセンターサービスの向上に取り組み、そこで得たお客様の声を商品開発アイデアに活用しています。単に経営のスピードを追求するだけではなく、このようなデジタルビジネス・アジリティの総合力を高める姿勢こそが、これからの日本企業に求められていくものでしょう。 今回のイベントを聴講することにより「対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方」の受け取りかたも幅広くなったのではないでしょうか。今回のイベントに参加できなかった方も、ぜひお手元に置いてご活用ください。

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