【レポート】ビジネスモデル研究会(2018年4月期) 第1回

サブスクリプション型のビジネスモデルとして、最初に思いつくのはパソコン向けのソフトウェアではないでしょうか。マイクロソフトのオフィスやアドビのグラフィック関連ツールに代表されるように、パッケージによる買い切りから、利用期間に応じて料金を支払うモデルへの転換が既に定着しています。 小西一有 この「必要に応じて必要な量だけのサービスを提供する」というサブスクリプション型は、「シェアリングエコノミー」時代のビジネスモデルであると、小西は解説します。また、当初無料でサービスを提供しながら、期間延長やオプションで課金する「フリーミアム」モデルとの相性の良さも、サブスククリプションの特徴のひとつです。 従来のプロダクト販売型では「売るまで」がゴールでした。裏を返せば、売った後の顧客との関係は重視されていません。一方でサブスクリプション型はフリーミアムが可能であることからわかるように「売った後」が勝負です。利用を起点にして、顧客にベネフィットを提供し続ける間は利益を生み続けるモデルであり、マーケティングの重心を大きく変える必要があることがわかります。 サブスクリプション型サービスの事例として、自動車、高級腕時計、使い捨てカミソリ、ワイシャツ、高級装飾品、そしてラーメンまでもが紹介されます。ただし、これらが従来型の「リース」や「レンタル」とどのように違うのか、そしてどんな「ベネフィット」を提供しているかを見極めることが重要です。 例えば「飲み放題で月額3,000円」という居酒屋チェーンが存在します。一回で3,000円をドリンクに使うユーザーからしてみれば、一度払えば元が取れてしまう料金体系に見えますが、実際にこの企業は赤字でサービスを提供しているだけなのでしょうか? それとも、顧客の心理や情報を活用したビジネスモデルが設計されているのでしょうか? プログラム中に挟まれた参加者のグループワークでは、サブスクリプションサービスのメリット・デメリットの整理や、「こんなサブスクリプションサービスが欲しい」など、制限時間をオーバーして議論が深まりました。 最後には「自社だったらどんなサブスクリプションサービスを提供できるか」を参加者が宿題として持ち帰り、「ビジネスモデル研究会」第1回目のセッションが終了しました。

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