スイスにある世界トップクラスのビジネススクールIMDでDX研究に取り組み、DXの世界的な権威となったマイケル・ウェイド教授は以下のように主張しています。
このウェイド教授の言葉を受けて、私が日本の大企業におけるDXの代表的な事例だと考えるのは、トヨタが自動車の製造・販売業から「モビリティサービス」業に変革するという動きです。 豊田章男社長の「3代目の私がトヨタをつぶすわけにはいかない」というメッセージは強烈な印象を残しました。ソフトバンクなど多くの企業との提携、役員制度の変革、大幅な人事異動など目まぐるしい動きが目を引きます。2兆5000億の利益を出しているトヨタでさえ、生き残りに必死の形相なのです。
DXをこのように定義してみたとき、日頃あなたが取り組んでいるDX案件は当てはまりますか? もしかしてIT案件を少しモダンにした程度の、DXに似せた「おもちゃ」づくりになっていませんか? おもちゃだったとしても、既存ビジネスを多少なりとも成長させたり、効率化したりする効果があれば、それは意義のあることです。また、新しい技術へのトライが重要であることも否定しません。 一方で、今の活動に忙しく取り組んでさえいれば、その先に「真のDX」が実現するのでしょうか? 恐らく答えはノーですよね。私は、そこを心配しているのです。 真のDXである「生き残り戦略」を企画し、その実行プランを作成することが最も優先順位の高い仕事です。それを進めるうえでの実験が必要であれば、大いに実験したらよいと思います。しかし、DXという「魂」がないままの実験は、無駄な投資になってしまう可能性が高いでしょう。
ここまで読んだあなたはこう反論するかもしれません。「私だって自分が担当しているDX案件が、真のDXとは少し違うことに気付いています。しかし、全社戦略のDXは別の部署の人たちが考えていることなので、その結果を待つしかないのです。それまでのつなぎが、私が今やっているDX案件なのです」 本当にそうですか? あなた自身が世界のDXを学び、DXの魂を見つけるという役割を持っているのではないですか? あなたの想い、あなたの提案、あなたの企画を期待している人がいるのではないですか? あなたの役割を「DX案件の開発だけです」と決めた人はいないはずです。あなたが今、動き出さなくて、いつ動くのでしょうか? 今がチャンスです。 もちろん、DXの正解がお店でパッケージ販売されているわけではありません。時間がかかる、難しい旅になるでしょう。それでも旅に出ませんか? 今こそが、あなたの出番です。おかしいなと思うことはおかしいのです。 勇気をもって、DXの旅に出てほしい。 DBICから愛をこめて 追伸:さびしいときは日本橋に来てください。お酒あります。
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