【横塚裕志コラム】DBIC ダイビングフォーラムに添えて

1.イノベーションにはイノベーターが必要

2018年からシンガポールで、2019年からは日本国内でも実践型イノベーション創造プログラムを実施してきました。2年間で一定の成果があがっている一方、私は「こんなにも、うまく進まないのか」と、イノベーションの困難さを改めて痛感しています。 うまく進まない原因は、プログラムに参加していただいたメンバーの怠慢では決してありません。どんなに優秀でも、努力をしても、そもそものイノベーターとしての前提条件をクリアしていないとイノベーションは起こせないのです。一般的に「仕事ができる」ということと「イノベーションを企画すること」は同一ではないということに気付かされました。 2019年度シンガポールイノベーションプログラムの国内事前学習の模様 イノベーターになるためには「個が確立し(自分の判断機軸を持つ)」、「熱いパッションを持つことができ(「仕事だから」ではなく、「やりたいから」やっている)」、なおかつ「デザイン思考のトレーニングを通して生活者に寄り添う感性をとりもどす」という条件をクリアして、初めてそのスタートラインに立つことができます。 このように「一皮も二皮もむけた」人材でなくては、イノベーションは企画・実行できないのです。 多くの企業から「PoCは100以上あるけどそれ以上に前に進めない」または「イノベーション室を設置したが何も生まれない」という声を聞きますが、その理由は明確です。イノベーターがいない限り、何も生まれないのです。 この「イノベーションにはイノベーターが必要」というシンプルな事実に、多くの企業が気付いていないのではないでしょうか。命令すればイノベーションが起きるというのは大きな誤解です。

2.イノベーターの育成には腕の良いコーチが必要

イノベーターの育成は簡単ではありません。特に「座学ではできない」「体を動かすエクササイズが必須」「社内にモデルがいない」という前提は最初に認識する必要があります。 したがって、イノベーターはアスリートと全く同様に、適切なアドバイスを与えられるコーチの存在が重要になります。そして、そのようなコーチ人材が圧倒的に不足していることも事実です。 幸いにもDBICではシンガポールに三井幹陽氏、日本に渋谷健氏という看板コーチがいます。このふたりの熱いコーチング、例えば、叱咤激励、ワンオンワンのアドバイス、上司の愚痴を黙って聞く優しさ、などの献身的な支えがあって初めてプロジェクトが前に進んでいます。 シンガポールで現地プログラムファシリテーターを務める三井幹陽氏 DBICディレクター渋谷健 このようなコーチの存在は、あまり取りざたされていないので見過ごしがちですが、イノベーションには必須の要素であると感じています。

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