経緯
3月に特定非営利活動法人CeFIL(DBIC)と福島大学・地域未来デザインセンターは連携協定を提携しました。
連携の目的は、両者それぞれが保有する社会課題解決に資する研究シーズ並びに人材育成・事業開発・情報技術等の情報及びノウハウを活用し、福島及び日本の持続的な発展と産業の振興に寄与することです。
連携協力の内容は主に以下の通りです。
- 地域社会、経済、産業の変革・発展に資する人材育成に関すること
- 地域社会、経済、産業の変革及び人材育成等の調査研究・実践的取組みに関すること。
- 両者が行う活動が地域・社会に与える影響や効果等に関する評価・分析に関すること。
- 人事の交流に関すること。
- その他連携協定の目的を達成するために両者が必要と認めた事項に関すること。
「福島大学・地域未来デザインセンター」とは
福島大学・地域未来デザインセンターは地域創造支援センター(CERA)とうつくしまふくしま未来支援センター(FURE)の2つのセンターを統合して昨年4月に設立されたセンターです。
地域未来デザインセンターは主に実践的な地域課題解決やイノベーション人材育成に関する研究・取組などを行なっています。
福島の課題とソーシャル・イノベーション
福島には、依然として約3万人が県外・県内に避難しているなど、震災からの復興に関する取組みは継続しています。また、産業面でも震災前の水準には回復していない点も多く、更に、従来からの少子高齢化・人口減少などの課題もあり、生活・産業・教育など多くの課題を抱えており、社会システム全体を変えていくという視点での変革が求められています。
共同プロジェクトについて
このような状況の中で、福島大学・地域未来デザインセンターでは以下の4つの視点・ビジョンから一歩踏み込んだ産官学民連携による取組・プロジェクトを行なっていく予定です。
- 人づくり
全ての基礎は人であり、福島の暮らし・産業を担う人材を育成していく。
- 産業
人と社会を支える新たな産業・事業を創出する。
- 暮らし
全ての人の幸福度が高まる暮らしを追求する。
- 人権
全ての人の人権・人格が尊重されている。
以下のような問題意識を持って取組を進めています。
- もっと事業開発、起業を起こせないだろうか?
人や社会に対する付加価値の高い商品・サービス開発、事業開発人材の育成
※福島県2020年度開業率:3.6%(目標4.3%)
- 社会人が社会変化に応じて、柔軟に知識やスキルを更新し、
充実した職業キャリア、ライフスタイルを実現できないか?
- もっと企業の生産性を向上できないだろうか?賃金を上げられないか?
※福島県全産業労働生産性 3,860千円/人 全国35位(平成24年経済センサス)
※日本の1人当たり労働生産性の国際比較 44位(ILO)
- 住んでいる場所と関係なく子どもたちは主体性、個性を育み、望む教育を受けられないか?
- 住民の主体性を引き出す行政政策の仕組みを構築できないか?
- 福島県の産業や暮らしを支え、発展させる人材をもっと輩出できないか?
【現在、取組んでいるプロジェクト例】
- 産業人材のスキルアップ/リスキリング
新規事業開発、DX、生産性向上等に対応できる社会人人材の再教育の仕組み
- 住民の主体性醸成と地域課題解決の場としての市民会議制度づくり
- 子どもたちへの未来型教育
イノベーション・人権・サイエンス・環境など子どもの創造性を育むため教育
- 福島市のデジタル推進
未来シナリオから都市の課題を設定し、デジタル化に取組む
- アグロエコロジー/循環型社会
今後、事業化が見込める不耕起栽培による有機農業教育・研究の場の整備
など
人材交流について
会員企業の社員の方が「福島における地域復興・社会課題解決を目的としたスマートシティ、データサイエンス」をテーマに
- 教育プログラムの企画・実施(学生・社会人向け)
- 行政等とも連携した社会課題分析・調査
- 実装のための検討および実装
などの対応を福島大学・地域未来デザインセンター教員として、他のセンター教員・行政機関等と連携して実施するという人材交流プログラムを用意しています。
なお、業務量等は以下の通りです。
- 業務量・人件費
通常業務の1割程度を想定。(リアル・オンライン対応のハイブリッド)
業務量に応じて福島大学より会員企業へ給与相当分を支払う。
- 福島大学での身分(肩書き)
特任講師・特任准教授・特任教授(キャリア・研究実績に応じて)
- 募集人数
スマートシティをテーマに1名、データサイエンスをテーマに1名の合計2名
- 期間
2023年度中より年度末まで。その後は1年単位で更新し、最大2026年度末まで。
※2027年度以降の計画については未定
以上となります。