【横塚裕志コラム】変化を創り出すパワーを どのようにして手に入れるか

1.私の危機感

2月6、7日のウェイド教授とベイソン氏をお招きしたセミナーを体験して、あらためて、日本企業が昭和のままの経営、文化でいることの危機感を感じた。タイミングを同じくして、世界一のトヨタの品質不正、ワコールの赤字転落、イトーヨーカドーの東北撤退などの情報をメディアで目にすると、昭和からの脱出がかなり急がれる状況にあるように思われる。

「規模拡大を至上命題にして、売り上げ目標達成のために必死に戦ってきた」昭和の成功体験がなぜ悪いのか、と問われる人もいるだろう。しかし、この売上ドリブン経営では、常に企業側からの視点で行動するので、顧客にとっての価値という視点や社会にとっての正しさという視点がごっそり抜けてしまっていることに気がつかなくてはならない。結果として、現実に不正が起き、顧客も逃げ、30年の停滞を引き起こしてしまったのだ。昭和から私たちは変わらなくてはならないのだ。

2.変わるためにはどうしたらいいのか

では、成功体験を捨てて新しい経営に踏み出す「変化」を、どのように生み出していけばよいのだろうか。私は「学び」以外に手段はないと思う。
「学び」とは、以下の4つの効果を得ることで、「変化を起こす人に成長すること」と定義できるのではないだろうか。

  1. 世界の多様な考え方や視点の広さを知り、自分の視野の狭さを知る
  2. 変化を起こしたい自分のテーマを見つけ、心を躍らせる
  3. 変化好きな仲間をつくり、自分の思いが膨らみ、勇気が湧いてくる
  4. 実際に変化を起こし、仲間を集め、仲間で苦闘し、ヒントをつかむ

上の4つをもっと平易にいいかえると次の通り。

  1. 自分の考えと違うものを体験すると、それを鏡として何も知らない自分がやっと見えてくる。知らないことが自覚できると、もっと知らないことに遭遇できる。
  2. 自分が生きている意味を問い直したり、自分とは何かを自分で考え始めると、何かを変えることが生きている意味かもしれないと思い始める。
  3. 変化を起こそうと思う仲間との対話が、自分のアイデアを深めるきっかけになるし、相手の助けにもなる。そのやり取りが、難しいことへの挑戦意欲を掻き立てる。
  4. 大小を問わず具体的な変化を起こし始めると、自然と仲間が見つかり、仲間と苦労を重ねていると、今までとは違う景色が見えてくる。

つまり、「学び」とは「成功体験を捨てて、変化を起こすこと」だと思う。企業という主体は実は存在しておらず、企業に属する人が自分自身の成功体験を捨てて世界を広く知り、そして変化の行動を起こすしかないということではないだろうか。

3.経営が変わるということは、人材育成方針も変わるのだろうか

人材育成の考え方を大転換する必要がある。その概略は以下の通り。

  • 売り上げ主義の人材育成:
    売り上げを上手に上げる人を成功モデルにして、そういう人材になるための研修プランを作成し、全員平等に研修機会を与え、社内で出世競争を行わせ、勝ちぬいた人を意思決定者にしていく。 人事評価の基軸は、会社の売り上げ増のために滅私奉公で頑張れる人。
  • 変化を推奨する人材育成:
    変化を起こしたい人を選抜し、その人たちに「真の学び」の場を提供し、社外とのオープンな場での自由な活動を推進する。そのために、変化にチャレンジする人材に対して、個人別のプログラムやコーチを提供する。 人事評価の基軸は、変化を企画し実行する人。

4.彼ら二人のメッセージ

彼ら二人が超多忙な中でも日本に来てくれるのは、「日本頑張れ」という気持ちを強くもたれていらっしゃるからだ。なんともありがたい。そして、彼らのメッセージはこれだ。「日本よ、変われ! 何を恐れているのか。」

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