Ⅰ.使いにくいことばかり
「デジタルは企業と顧客の距離を縮めたか」というコラム(1/31付)で、電気料金表のWEB、保険証券のWEBの使いにくさを書いた。加えて、沖縄出張の時にもチケットのスマホアプリでストレスを感じるなど、使いにくい体験ばかりだ。
ストレスの原因は、専門用語がわからない、操作がわからない、誰に聞いていいかわからない、というところだ。私のリテラシーのなさを割り引いても問題は大きいのではないだろうか。デジタルが重要な武器という時代に、作り方がこんなに下手でいいのだろうか。原因はどこにあるのだろうか。
Ⅱ.生成AIが説明する「使いにくくしている原因」
大企業のアプリが使いにくい傾向にあることは、確かに一部の場合に当てはまります。以下に、その理由を考察してみましょう。
- 組織の複雑さ:
● 大企業は多くの部門やチームから成り立っています。プロダクト開発においても、デザイナー、エンジニア、プロジェクトマネージャー、QAなど、多くの人々が関与します。このような組織の複雑さが、意思決定の遅れやコミュニケーションの問題を引き起こすことがあります。その結果、プロダクトの設計や機能が複雑になり、使いにくくなることがあります。
- 過度な機能追加:
● 大企業は競合他社との差別化を図るために、多くの機能を追加することがあります。しかし、過度な機能追加はプロダクトの複雑さを増し、使いにくさを引き起こすことがあります。ユーザーは必要な機能を簡単に見つけられなくなり、ストレスを感じることがあります。
- レガシーシステムの問題:
● 大企業は長い歴史を持つことが多く、古いシステムやプロセスが残っていることがあります。これらのレガシーシステムは新しい技術やユーザビリティの改善に適応しづらく、使いにくいプロダクトを生み出す原因となることがあります。
- ユーザーフィードバックの取り込み不足:
● 大企業は多くのユーザーを抱えているため、ユーザーフィードバックを集めることが難しいことがあります。その結果、ユーザーのニーズや問題が適切に反映されないままプロダクトが進化してしまうことがあります。
総じて、大企業のアプリが使いにくい場合、組織の複雑さや過度な機能追加、レガシーシステム、ユーザーフィードバックの取り込み不足などが影響している可能性があります。
Ⅲ. 私が確認してみたい事項
原因は、生成AIの言う通りだろう。それに加えて、確認してみたいことがある。
- プロセスや操作性などを設計するのは、オーナー? 内部SE? 外部SE?
使いやすさが企業の競争力を左右するときに、使いやすさを深く学んだ人材が設計しているのだろうか、という疑問がある。
- 使いにくいシステムをリリースしてしまう意思決定をなぜするのか
お客様にサービスを提供しようと企画したオーナー部門が、なぜ、使いにくいままリリースする判断をするのだろうか。
- 誰もが使いにくいシステムをなぜ放置しておくのか
問題があるのなら改善すればいいと思うのだが、改善するという動きが感じられない。責任の所在がはっきりしないからだろうか。それとも、予算がない?
Ⅳ. 「使いにくさ」の真因は「組織と意思決定プロセス」の問題か
「使いにくさ」を生む原因を生成AIに調べていただいたり、私なりの疑問点を整理してみた。結果、どうも真因は「組織と意思決定プロセス」の問題だということになる。とすると、それは根が深い経営課題ということ。もしかしたら、DXの前にやるべき大きな課題があると認識しなくてはならないのかもしれない。
次回のコラムで、より深くその改革の道を探ってみたい。