【横塚裕志コラム】ITに関わる6団体と BA定着連絡会を開催

3月27日、ITに関わる6団体が集まって、BA定着連絡会を開催した。暫定事務局のIT協会 百瀬専務理事、JUAS 中島専務理事、エンタープライズ・アジャイル勉強会 川口代表、JISA 宮本専務理事、IIBA 寺嶋代表理事、CeFIL 横塚理事と、各団体の責任者が集まり議論を開始した。

そもそもの発端は、IT協会 横川氏とIIBA元理事 清水氏と横塚の3人で「BA(ビジネスアナリスト)をなんとかしたい」という同じ思いから動き出したものだ。ただ、動き方や当面のゴールなどはイメージできていない。連絡会は、「BAという役割・業務を多くの日本企業に認知していただき、広く定着していくことが今後の日本企業の事業発展に欠かせないことではないだろうか」という問題意識から始めたばかりだ。この先のことはこれからみんなで相談するという感じだ。

1.BAに関する私の問題意識

発起人3人の問題意識、また6団体のそれぞれの問題意識はそれぞれ違うと思うが、私の問題意識は以下の通りだ。

  1. DXが進み始めているとの調査もあるが、まだまだ「効率化」の範囲にとどまっている企業が多いのではないか。事業変革という「X」を実現している企業が少ないと感じており、その「X」が実現できないのは、BAという役割を果たす人が社内にいないからではないだろうか。
  2. 新規事業を始める会社も出ているが、その企業デザインや成長プロセスの展望が未熟な部分が多いのではないだろうか。もちろん、新規事業に確かな展望は難しいが、新規事業を企画し進めるための能力を持っている人が存在しないので、成功するためのフレームワークに基づかない自己流になっているのではないだろうか。
  3. 新規事業のアイデアが出たり、面白いスタートアップが見つかるので、新規事業を小さく始めてみる。しかし、社会課題に近いがゆえに、マネタイズの仕組みが思いつかない。マネタイズの方策が見つけられずにスケールしない新規事業を抱える企業が多い。マネタイズを企画できる能力を持った人が存在しないから、多くの企業で新規事業がスケールしないのではないだろうか。
  4. 一般的なデジタル化のプロジェクトにおいても、現行の紙プロセスを単にデジタル化するに留まり、デジタルの特性を生かした新たなプロセスを創造するレベルにまでいっていない。それも、新たなプロセスを企画できる能力を持つ人が存在しないからではないだろうか。
  5. 一般的なシステム開発においても、単なる効率化ではなく新しいサービスの開発となると、事業側の構想が抽象的にならざるを得ず、ビジネスとは異なる構造を持つソフトウエアの開発を担当するSE側とのコミュニケーションギャップで困っていることが多いのではないだろうか。両者の間に入って合理的なシステム要件を策定する人が存在しないので、無駄が多く効果が少ないIT投資になっているのではないだろうか。
  6. 本社部門が企画する業務改善案件でのシステム開発において、本社部門が行うべき実際の現場での調査が不足し、結局、現場では使われないシステムが開発されているという実情を聞く。これも、現場をよく調査する人の役割を軽視していることが原因ではないだろうか。
  7. アジャイルでのソフトウエア開発に取り組むことが増えているが、プロダクトオーナーがあまり機能しないとの悩みを多く聞く。ビジネス側に籍を置いていてもビジネス構造に詳しいとは限らないので、オーナーの役割が果たせていないのだろう。オーナーのスタッフとしてのBAの存在が必要なのではないだろうか。
  8. システム自体の賞味期限が切れる事態はシステムの宿命だろう。稼働するハード・ソフトが終了してしまうのだから仕方がない。そのとき、「現行通り」という仕様でシステム再構築プロジェクトが始まるのだが、これがうまくいかない。「現行通り」を業務プロセスやシステム要件に可視化できる人がいないから起こる事態だと思う。

以上、8つの懸念点を書いたが、いずれもBAという役割を担うプロ人材がいないから発生している課題ではないかと私は思う。一足飛びに育成はできないが、無自覚のままBAの仕事をしている方が実は大勢いらっしゃるとも推定できるので、企業内での役割認知とBA業務の理解を促進するなど、やるべき施策が多くあるように思う。

2.若い人に参加してもらいたい

発起人3人の平均年齢は70歳であり、仕事は年齢でやるものではないというものの体力的衰えは隠せない。若い方で、議論に参画し、新しいウエーブを自分で起こしていきたいと思う人の力を借りたい。そう思う人は、IT協会でもCeFILでも連絡をしていただけるとありがたい。海外では、BAのうち6,7割が女性とのことなので、男女関係なく手を上げていただきたい。

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