企業を変革するためには、変革しようと社長が言い出せばできるわけではなく、「変革せねば生き残れない」と強く志す個人のリーダーの存在が必須の条件で、そういうリーダーを一流のリーダーという。 では、どんな人なのだろうか。二つの調査や主張をあげてみよう。
知識とか技術的なスキルではなく、志とか姿勢とか視座とかいうものが大きな要素であるように感じられる。
上記のリーダーの特徴を得るためにはどういうプロセスを踏めばいいのだろうか。それを研究した理論を3つ挙げる。
現実の修羅場は簡単に体験できないので、この3つの理論をベースにした「リーダー育成トレーニング」を受けるのが得策。スポーツのアスリートと同じで、本を読んだだけでは効果はなく、深い体験の繰り返しが必要だ。 入門コースであるDBICの「トランス・パーソナル」はU理論をベースにした以下のプロセスでコーチに支えられながら修羅場を進む。それぞれのステップでは、SECIモデルが回り、思っていることを言語化し、対話し、また考えるサイクルを回していく。
①ダウンローディング:あるテーマを語る ②保留:思い込みや先入観ではないかとコーチから聞かれ、手放し始める ③観察:自分を客観視して、思い込みや先入観を捨て、視座が転換する ④センシング:素の境地で、ほんとうは何なのか、を考え始める ⑤恐れの声:そうは言っても踏み出せない、コーチからなぜと聞かれる ⑥手放す:自分の根っこに気づき、恐れ、あきらめがはずれていく ⑦マインドフルネス:瞑想することで脳が再構成されていく ⑧プレゼンシング:自分は何者なのか、自分の存在意義は何か ⑨迎え入れる:自分の新しい可能性を見つける ⑩結晶化:自分でやりたいことがはっきりしてくる ⑪プロトタイピング:具体的な施策のレベルに落とし込んでいく ⑫実践:組織や社会の中で動き出す
このプロセスを10回くらい回し、プログラムは3か月で終了する。この間、あなたの存在意義は何か、とか、なぜできないのか、とか、50回を超える質問シートに応えながら進めていく。そのシートへのコメントなどコーチから毎週ささやきを受けながら自分の素に戻り、自分のやりたいことを見つけていく。 最後までたどり着けるのは参加者の20%程度となるまさに修羅場シミュレーションだ。これに耐えられないようでは、リーダーにはなれないということだ。
このプログラムは入門編で、自分のやりたいことをさらに磨くUNLOCK(3か月)、組織で何をするかを磨くUNCHAIN(3か月)と高度なプログラムが待っている。
マーケットがますますグローバルになってくるなか、世界の一流企業との戦いは激しさを増していく。そういうなかで日本企業が活躍するためには、世界に通用する一流のリーダーを育成する必要がある。 「でも日本人は優秀ではないか」とよく聞かれる。残念ながら、そういう声を外国からは聞かない。例えば、もう数年前になるが、DBICメンバー企業の中堅クラス10人がシンガポールで事業開発演習を実施した時のこと。支援いただいたシンガポールのアクセラレーターから「この10人のレベルではシンガポールの企業では採用されない」と厳しく言われたことがある。 また、DBICメンバーの中のグローバル企業では、世界の各国から「幹部育成プログラム」に参加する社員を選抜しているが、日本人がみな選抜で落ちしてしまう、というお悩みを聞く。 日本企業は、もっと真摯にリーダー人材の課題を考える必要があるのではないだろうか。いい大学を出ていい会社に入っても、OJTだけではその会社の中という狭い範囲では通用するが、世界で戦う「一流の真のリーダー」は育たないと認識すべきではないだろうか。みなさんはどのようにお考えだろうか。
DBICトランスパーソナル 短期集中プログラム 2024年5月~8月 開催
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