ある企業の「データ活用部門」に訪問して、データサイエンティストと言われるプロ人材の仕事場を拝見してきたので、その仕組み・人材の姿などを報告する。
この企業グループでは、グループ内のシステム会社とホールディングスに「データ活用部門」を設置し、そこにデータサイエンティストを集中して配置する体制(CoE方式)を採っている。この二つの部門が一体となって活動し、グループ内の事業会社や新規事業会社のデータ活用はもとより、様々な産業とのコラボによる新しいビジネス創造に取り組んでいる。
以下の機能を果たしている。
この「データ活用」のプロセスは、以下のいくつかの特長がある。
「データ活用部門」が正式な組織として認められ、開発予算が獲得できるようになるまでには、個人的な有志が担当業務とは別にデータ分析業務を少しずつ始めていた実績が基礎になっている。歴史は個人が変えていける好例だろう。具体的な経緯は以下の通り。
「データ活用」という戦略が成功するためのポイントが二つある。①テーマの設定と②仮説の深堀だ。 この両者ともに、事業部の人材だけでは実行できない。プロ人材の発想力、グローバルな知見、深い最新の技術力があってこそ、検討が正しい方向に進んでいく。 加えて、事業部とプロ人材との深い対話がエネルギーとなるので、委託・受託という体制ではできないことも明らかだ。故に、グループ内に存在する意義は大きい。
このグループでは、プロ人材をシステム会社に配置している。その理由は、事業会社よりもシステム会社の方が ①プロ人材を配置するべきという経営陣の想いが強いこと(CDOとCHROを兼務させている) ②プロ人材向けの特別報酬制度の新設や組織の変更がやりやすいこと が挙げられるようだ。ただ、この場合、事業会社と対等に対話できる環境づくりへの配慮が必要だろう。
皆さん、楽しくてたまらないという顔をしている。そして、プロ人材という誇りを持って挑戦を続けている。 「他の部署に転勤ということがないので、心おきなく学ぶことができる」という発言が印象的だった。
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