前回のコラム(「顧客起点デジタル」と「企業論理デジタル」 その①)でデジタル化の難しさを書いた。普通にデジタル化に取り組むと、「企業論理デジタル」になってしまい、顧客にかえってストレスをかけてしまうことにもなる。だから意識して「顧客起点デジタル」に取り組む必要がある。そして、それは「BA(ビジネスアナリスト)」というプロ人材の能力が必要だ、という主張を書いた。
今回は、日本企業のユーザビリティについて、世界との比較をChatGPTにお願いし、日本企業の課題を考えてみることにする。
Ⅰ. WEBの操作性を日本と世界とで比較していただいた
- デザインの一貫性
日本の多くの企業のウェブサイトは、情報が詰め込まれすぎていたり、デザインが複雑だったりすることがあります。これにより、ユーザーが目的の情報にアクセスしにくくなることがあります。
- ユーザビリティテストの不足
ユーザーの視点からのテストやフィードバックが十分に行われていない場合が多く、使いにくい部分が改善されないまま放置されることがあります。
- 技術の導入
海外の企業は、最新のウェブ技術やトレンドを積極的に取り入れる傾向がありますが、日本企業は保守的なアプローチを取ることがあるため、技術的に遅れを取ることがあります。
- 文化的要因
日本の企業文化やコミュニケーションスタイルも影響を与えています。ユーザーのニーズや期待に合った設計がされていない場合があります。
Ⅱ. 日本企業のユーザビリティが世界に比べて低い理由を聞いた
- 文化的背景
日本は伝統的に、職人技や細部へのこだわりを重視する文化があります。このため、デザインや機能よりも、技術や製品の完成度が優先されることがあります。
- ユーザー調査の不足
ユーザビリティテストやユーザーインタビューが十分に行われないことが多く、実際のユーザーのニーズや期待が反映されにくいです。
- 言語の壁
日本語の特性が、インターフェースデザインや情報の提示に影響を与えることがあります。特に英語圏の基準に合わせたデザインが適応しにくい場合があります。
- 企業の慣習
企業内部の決定プロセスが保守的であることが多く、新しいアイデアやアプローチを取り入れることが難しい場合があります。
- 教育と専門知識の不足
ユーザビリティに関する専門知識を持った人材が少なく、デザインや開発段階でユーザビリティを考慮する文化が根付いていないことも影響しています。
Ⅲ. 欧米企業のユーザビリティが高い理由を聞いた
- ユーザー中心のデザイン哲学
欧米では、デザイン思考やユーザー中心設計が広く浸透しています。ユーザーのニーズや行動を重視し、使いやすさを最優先に考えるアプローチが一般的です。
- MVP(Minimum Viable Product)の採用
スタートアップやテクノロジー企業では、最小限の機能を持った製品を迅速に市場に出すことが重視され、フィードバックを基に改善するサイクルが活発です。
- 競争の激しさ
市場競争が厳しいため、ユーザーの注意を引き、維持するために、シンプルで魅力的な製品が求められます。複雑な製品はユーザーが離れてしまうリスクが高いです。
- 直感的な操作の重視
ユーザーが直感的に操作できることが重要視され、機能を削ぎ落とし、わかりやすいインターフェースを提供することが一般的です。
- データ駆動の意思決定
ユーザー行動のデータを分析し、実際に使われている機能や必要とされている要素を把握することで、無駄を省いたシンプルな設計が可能になります。
- 文化的背景
欧米の文化では、効率性やシンプルさが評価される傾向があります。このため、企業はシンプルでわかりやすい製品を提供することを目指します。
Ⅳ. 以上から日本企業が学ぶべきことを考えてみる
- 日本企業は、製品づくりに顧客を見ていない
「職人技や細部へのこだわりを重視する文化があり、デザインや機能よりも、技術や製品の完成度が優先される」との指摘が重い。
- 日本企業は、顧客の反応を調べていない
商品やサービスを開発するとき、開発中も、開発後も、実際の顧客の反応を調べ、そのフィードバックを受けて改善するという工程を持っていない
- 日本企業は、多くの機能を盛り込むことが顧客のためと誤解している
商品やWEBサイトなど、機能をなるべく多く詰め込むことが、顧客のニーズにこたえることだと誤解しており、シンプル性とかわかりやすさを軽視している
- 日本企業は、世界レベルでのベンチマークを行っていない
世界の市場で評価されている「シンプルさ」とか「MVPからスタート」などの考え方を受け入れようとはしていない
- 日本企業は、「デジタル化」の巧拙が競争力の大きな要素だと考えていない
「企業論理デジタル」だと顧客から見放されるという危機感がなく、顧客からの評価を取り込むマネジメントスキームを持たない
さて、すべて「ビジネス部門」の課題だ。「顧客起点デジタル」の道は遠い。