【レポート】DBIC Monthly Meetup!(2018.06)

DBICの2018年度活動方針「DBIC 2.0」のうち、イノベーション実践を担う「Diving Program」関連のスタータス共有を目的にスタートした「DBIC Monthly Meetup!」の2回目です。

Project Report

まずはDBICディレクター渋谷健から国内Diving Progiramのテーマのひとつ、Local Open Innovationにつ関連して、宮崎県のアスリートフードプロジェクトが5月29日(火)に開催された「みやざき2018スポーツ・ヘルスケアビジネス創出セミナー」でキックオフされた様子が紹介されました。 渋谷健 更に、コミュニティバンクについてはVCFエバンジェリスト江上広行様より6月18日(月)にDBICにて開催されたGABV議長ピーター・ブロム氏来日記念対話イベント「"利益"よりも、"価値"に重きをおく銀行」についての報告がありました。本件については近日中に日本第一弾としての参加企業のご紹介が可能になります。 続いて2018年6月からスタートしたばかりの海外を舞台にした「Diving(実践)」プロジェクトである「シンガポールイノベーションプログラム」について、現地の参加者をビデオ中継でつないだ報告会が開催されました。DBICメンバー企業7社から10名が参加し、6月から10月までの5ヶ月間シンガポールに滞在し、自社の課題を見つけ、現地のスタートアップ企業にプレゼン、パートナー企業選定と進み、プロトタイプを作成して成果発表を行うという究極の実践プログラム。 現地参加者からは「イノベーションのスピード感が圧倒的に日本より速い」「政府、企業、教育機関が一体となったエコシステムがある」「Problem Statement(課題)について、日本市場や日本の規制を前提して作成したものを現地のスタートアップに英語で説明するハードルが高い」といったライブ感あふれるコメントが寄せられました。 「シンガポールイノベーションプログラム」の模様については、不定期で現地からレポートブログも公開しておりますのでご参照ください。

Monthly Spotlight

プロジェクトに参加された方々をお招きし、Diving Programの生の声をお届けする「Monthly Spotlight」コーナーでは、国内Diving Programのうち「ヘルスケア(イキイキ基盤)」に参加されているコニカミノルタ株式会社の三浦雅範様(グループ業務執行役員 産業光学システム事業本部 QOLソリューション事業部長)にご登壇いただきました。 三浦雅範様 フィルムビジネスのコニカとカメラ事業のミノルタが2003年に合併して誕生したコニカミノルタは、現在ではどちらのレガシー事業も行っておらず、ビジネス複合機を中心としたデジタルソリューションという新しい分野で約1兆円に迫る業態転換を成功させました。 一方で、BtoB事業は顧客都合の波があるため、サステイナブルな成長を続けるために同社は社会課題を中心とした新規事業への更なるトランスフォーメーションを目指しています。その中で三浦様の率いるQOLソリューション事業部は主に介護と医療分野をターゲットにしています。 從來の「コト(機器)売り」ビジネスから「コト(サービス)売り」ビジネスにトランスフォームするあたって、同社はデザインシンキングを早くから取り入れ、積極的に「顧客視点」を重視した事業開発をしてきました。ただし直接的な顧客インタビューから出てくる「介護利用者の転倒を防止したい」といった声だけでは本質的な課題発見にはつながらず、同社のR&D社員が実際の介護現場の夜勤を自ら長期間体験しました。そこから介護施設利用者の行動について室内センサーによる検知、収集したデータをクラウドで分析、そして介護職員向けスマートフォンでを組み合わせ「見て駆けつけ」という革新的なソリューションを生み出し、介護現場の過重労働と公的業務負荷の解消につなげています。 一方、こうした急激な事業改革にすべてのコニカミノルタ社員が最初から順応できたわけではなく、一部の社員の中にはマインドの低下も生まれていました。これを改善するために、1080(年間3回の360度評価)といった制度も導入し改善の兆しがありましたが、十分ではありませんでした。そこで、DBICディレクター渋谷健との連携により2017年から計画し、2018年初頭から実証実験を始めたのが「イキイキ基盤」でした。 「イキイキ基盤」の導入においては、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授の「幸福度」の因子をベースに、会議参加者の幸福度の変化を「アンケート」と「議事録解析」を通して分析し、会議の後で幸福度が上がり、業務に向かうマインドを改善するためにどんなことが効果的なのかを実験しました。例えば幸福度が低い会議においては「上司が仕事の背景をきちんと説明できていない」といった要因が見つかり、次の会議から仕事の背景の説明を行うようにしたところ、少しずつ参加者のマインドも改善されていったデータが取れています。 「まず自分たちがイノベーティブでないと、お客様にイノベーションを提供することはできない」という言葉に三浦様の決意とビジョンが込められていました。

Innovation Talk

DBIC代表横塚浩志がイノベーションについて語るセッション「Innovation Talk」は、Project Reportで登場した「シンガポールイノベーションプログラム」を参照しながら「DBICの過去2年間の活動でProblem Statement(課題)を設定することがいかに重要で難しいかを痛感した」という指摘から始まりました。 横塚浩志 2017年に横塚が参加したシンガポールマネージメント大学主催の「ニュービジネスコンテスト」の決勝における発表フォーマットが「Problem / Solution / Market Size / Approach」であったことからも、まずプロブレム(課題)を「自分ごと」として捉え、設定することが重要です。 「売上を10%上げることや、新しい技術を使うことから出発しても、それはプロブレムではないのでイノベーションは生まれない。人間が本当に困っていることは何か、プロブレムを探す旅に出ましょう」という言葉で本日の「Innovation Talk」は締めくくられました。

DBIC Diving Program に関するメールお問い合わせ窓口

前向きに参加をご検討いただける場合には、全体概要や個別プロジェクト詳細についてDBICディレクターが個別説明をいたします。まずはお気軽にメールにてご連絡ください。 contact@dbic.jp ※個別説明についての日程調整なども対応いたします

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