DX QUESTプログラム "アートシンキング" レポート

文責 DBICディレクター 岩井 秀樹

全5回にわたって実施したDX QUEST基礎編の1つ"アートシンキングについてレポートします。今回のQUESTのキーワードでもあるUNLOCKのためには、『自分だけの視点で社会を観察・解釈し、表現するための思考法』が必要です。そのための手法としてDBICではアートシンキングを採用し、特に社会に対する問題意識を表現する現代アートに着目してプログラムを用意しました。

自分自身の固定観念をUNLOCKする

企業固有の価値観に依存していると視野が狭くなり、主体性が失われ"ロックされた"除隊になってしまいます。そこで今回のアートシンキングではUNLOCKを念頭に、特に以下2つを目的として設定しています。

  1. 仕事を離れて社会事象に目を向けることで、これまで意識しなかったような社会事象や価値観に触れる。(視野の拡大)
  2. 企業固有の価値観に依存することなく主体的に社会事象を観察・解釈し、意思表明できるようになる。(主体性の獲得)
  3. アートを通じた"自己の解放"を体感

    プログラムでは本物のアーティストとの対話を通じて学び、実際に自らアート作品を作ることで自分自身の想い、とくに社会に対する問題意識を表現することにチャレンジします。アートを通じて自らの思考の幅を広げ、"正解がない"創造の可能性と、仕事や生活へどのように応用できるかを体感的に学んでいきました。

    ■受講生が制作した作品(例)

    • 「かぜがうつる」
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    万華鏡を自作し子供の部屋にあった地球儀を見るという作品。人から人にポジティブな思いを伝えることで、コンピュータウイルスを作っている人の心を変えてしまおうというコンセプトである。技術で対抗しようとすると、相手も技術を使うのでいたちごっこになってしまう。心に働きかけることは「意味のイノベーション」になる。
    (ファシリテーターコメント)

    • 「遊び相手になる神様」
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    ガチャマシンになぜ惹かれるかをリサーチしてきた。何が出てくるかわからないところを神様と表現している。自分が出したミニチュアを使った写真の連作から、何が出てくるかは神頼みであっても、出てきたものをどうするかは自分で決めることができるというコンセプトが明確に伝わってくる。この連作はアートとしても見応えがある。
    (ファシリテーターコメント)

    自分の想いを起点にデザインへ

    今回のアートシンキングは自分自身の固定観念をUNLOCKし、自らの想い、問題意識を表現するための思考法を学んでいます。しかしながらDXを実現するためには具体的な価値に落とし込むことが必要になります。今回の学びをもとに、次のステップであるデザインシンキングを取り入れ、変革を具現化していく思考法を参加者の皆さんが確立していっていただくことに期待しています。

    ■プログラム概要

    1. 第1回 8月20日 15:00〜18:00 -アート思考概論 -現代アートの対話型鑑賞
    2. 第2回 8月28日 15:00〜19:00 -冨井大裕氏の作品紹介 -お気に入りの映画や書籍を3分で紹介する
    3. 第3回 9月3日  15:00〜19:00 -関心のある社会事象についてリサーチした結果の発表
    4. 第4回 9月17日 15:00〜19:00 -ステートメントの作り方の講義 -創出したコンセプト発表
    5. 第5回 10月1日 15:00〜19:00 -作品とステートメントを発表する

    ■講師

    • ファシリテーター:長谷川一英(株式会社E&K Associates)
    • アーティスト  :冨井大裕(彫刻家・武蔵野美術大学)

    参加者の感想

    「冨井さん(アーティスト)の思考の引き出しが多く、勉強になった。」
    「講座を通して、発想の豊かさや視点、視野の広げ方、あらゆるものが自由で正解がないということなどが理解できた」
    「参加前はアート知識がほぼない⾃分にどこまでできるのか不安しかなかったが、実体験から今後の仕事や⽣活における考え⽅に活かせることを確信した。」
    など

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