2024年6月4日にスイス・IMDでDXの分野をリードするMark Greeven教授を招いて特別プログラムを開催しました。ファシリテーターをIMD北東アジア代表の高津 尚志氏に務めていただき、約20名のご参加をいただき、盛況に終えることができました。 会場は会員メンバーの日本郵政さんにご協力いただき、日本郵政本社ビルの会議室をお借りして開催に至りました。
今回は、中国の民間産業の進化と課題について取り上げ、彼らの学びを吸収しながら議論を交わしていく場となりました。 キーワードは、「組織構造モデル」と、「運用上の安全性とイノベーションのバランス」で、日本産業・企業が直面する課題とも共通性があり、気づきのある内容でした。
COVID-19によるパンデミックをきっかけに、中国産業は硬直した階層構造からネットワークモデルへの移行の必要性に迫られました。 そのために企業は、運用上の安全性とイノベーションのバランスを取りながら、変革戦略を再構築しています。プロセスの中心である、デジタルプラットフォームと一定の秩序の元での自律性(guided autonomy) は、モビリティと組織の柔軟性(agility)を可能にします。
さらに、中国がイミテーションからイノベーションに移行したことで、国際的に新たな競争に晒されることになりました。選択的なエンパワーメントモデルである「guided autonomy」は、影響力を促進し、責任を維持するために重要であることが、中国産業内でも再認識されることとなりました。
日本企業においても、硬直した階層構造からネットワークモデルへの移行が求められており、デジタルプラットフォームとイノベーションの導入は不可欠です。企業が組織モデルに対して、イノベーションを促進し、競争力を維持するための最適な環境を提供する必要があるでしょう。現在日本企業は、中国企業と同様に、運用の安全性とイノベーションのバランスを見つけるための新しい戦略を必要としています。
中国産業の先進事例を学びつつ、今なお中国企業が直面する課題と日本企業の課題との共通性に気づきを得ながら議論をしていく、大変貴重な会となりました。 今後もDBICでは、日本産業を牽引していくメンバーが揃うDBIC会員企業同士の活発な学びと議論の場を提供していけるよう努めていきます。
(文責 DBICスタッフ サラ アッダベディア・木村 有沙)
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