前回までのシリーズ①から⑥で、デジタル投資が実際に効果を発揮しているかどうかについて、「顧客起点デジタル」になっているか否かの視点で検証してきた。 その結果、デジタル投資の効果を上げていくためには、ビジネスオーナーとSEに加え、第三者のビジネスアナリスト(BA)の役割が重要であるとの結論に達した。そこで、今回は欧米でのBAの捉え方を調査しつつ、BAの役割をより明確にしてみたい。
米国やヨーロッパが、なぜBAの拡大・定着を進めてきたのか生成AIで調べる。
1. 米国
米国企業は、単なるIT投資だけでは競争力向上につながらないことを学び、組織・プロセス・ルール等の改革を含めた包括的なアプローチの必要性を認識しました。この認識がBAという職種の重要性を高め、その発展を促進したと推測できます。 具体的な必要性は以下の通り。
2. ヨーロッパ
ヨーロッパでのBA定着の主な要因は以下の通りです。
上記の通り、欧米でのBAの必要性を調査した。要すれば、デジタル投資の効果をしっかり獲得するために、システム開発と同時に業務改革を推進する必要があり、その業務改革の実践は専門性を必要とし、BAが定着した、と整理することができる。
これを踏まえて、日本におけるビジネスアナリストの役割を考えてみる。基本は、欧米での役割と同じだが、特に日本企業でのビジネス側の方々の弱点をカバーしていく意味を重視し、加えて、BA制度の導入しやすさを考慮すると、以下の通りの役割をまずは定義してはどうだろうか。
「顧客起点デジタル」を実行するためには、顧客起点での新しい商品やそのルールを構想し、それをデジタルで実装していく必要がある。それは、企業の縦割り各部門だけでは実行できない。顧客起点の世界観を主軸にして、縦割り各部門間のコミュニケーションを促し、全体をまとめていく機能が必要だ。それをBAが果たすことができれば、企業を顧客起点に変革することができる。「顧客起点デジタル」は、プロダクトアウトの世界観にどっぷりつかった日本企業を、顧客起点の企業に変身させる大きなトリガーになるべきだろう。もしかしたら、これこそが正真正銘のDXかもしれない。 日本企業の経営者は、まずは「顧客起点」の世界観を自分ごととして捉え、すぐにでも「顧客起点デジタル」実現を旗印にして、企業内にBAの機能を認知させ、BA人材の育成に取り掛かる必要があるのではないだろうか。
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