狙い ・プロブレムステートメントの目的と重要性を理解する ・参加者同志で深くディスカッションし観察の仮テーマを決める ・シンガポールで最低限必要になるビジネス知識を学ぶ
本プログラムではデザインシンキングのプロセスで最も重要となる課題発見に重点を置いています。社会や生活者を観察し「How might we? = われわれはどうすれば~できるか?」という問いかけを繰り返すことで、新たなイノベーションのきっかけを探求していきます。 本来すべてのビジネスの目的は何らかの課題を解決することです。けっして利益を上げることだけではありません。もちろん利益を得ることも大切ですが、その利益を使ってどのように社会を変えていくのか、その未来を示すことが重要です。従来はミッション・ビジョン・バリューという言葉で表現されていましたが、それは企業目線のメッセージです。生活者の視点で人々の課題をどのように解決していくのか。それを分かりやすく共感できる形に表現したものが「プロブレムステートメント」です。 例えばユニコーン企業として有名なAirbnbが資金調達に使用したプレゼンテーション資料を見ると、1ページ目は「Problem」から始まります。自分たちが何をしたいのか、どのような世界を目指したいのか、それを表明し共感を得ることでビジネスが動き出します。 ロジカルに考えるのではなく、広く生活者を観察し、その中から課題を見つけ、その課題に合わせてプロダクトやサービスをデザインしていく。この顧客視点アプローチへの転換こそがデザインシンキングの本質です。 まずは今後の観察をするにあたり、それぞれの個人が取り組みたい仮テーマを全員で共有し、それを元にチーム分けをしました。参加者同士で話し合っていただいた結果、今年度は企業の枠を超えた混成チームになりました。(今後変更になる可能性があります) チーム①:住友生命保険相互会社、東京ガス株式会社、東京ガスiネット株式会社 チーム②:大日本印刷株式会社、コニカミノルタ株式会社 チーム③:住友生命保険相互会社、株式会社野村総合研究所 そして各チームごとに今後の計画、そして取り組む仮テーマについて深くディスカッションをしました。まだ充分な観察をしていないので具体的なプロブレムステートメントは描けませんが、この1ヵ月の事前研修によって、それぞれの参加者が心に抱く課題意識が明確になってきました。 この仮テーマは今後の観察をするにあたって、対象者や調査項目を決めるために使用します。よって現時点では非常に広範な内容ですが、今後の観察をとおして具体化していきます。時にはまったく異なるテーマになることもあります。そしてプロブレムステートメントを磨くためには、ひたすら人に話してフィードバックを受けるしかありません。8名の参加者はこの答えのない問いにこれから挑んでいきます。
プロブレムステートの検討を進めながら、シンガポール渡航に向けて最低限必要となるビジネスの基礎知識を学びました。シンガポールの歴史や政治背景、イノベーションに対する取り組み、そしてシンガポールの社会課題を学びました。シンガポールでも日本と同じく急激な少子高齢化が進んでおり、所得格差の拡大などの多くの社会課題があります。グローバル共通の社会課題を理解することも重要なプロセスです。 2018年度参加者との意見交換 他にも昨年度プログラム参加者との意見交換会や、現地コーディネーター三井幹陽氏とのWebカンファレンスで、シンガポールに渡航する前の心構えや最新情報を学びました。 Webカンファレンスの様子 4月19日(金)にはマレーシア語学留学先のAsia Pacific Universityのシニアマネージャー、Vijay Reddy教授にお越し頂き、英語のクラス分けテスト(小論文)を実施しました。Vijay教授は同大学の特徴でもあるテクノロジー&イノベーションの分野で25年のキャリアをお持ちです。 APU Vijay Reddy教授 マレーシアでは語学力に応じて7段階のクラスに分かれ、国際色豊かな生徒たちに混ざってディスカッションする能力を磨きます。また平行して英語プレゼンテーションの練習や現地企業訪問などを実施する予定です。テスト後には参加者からマレーシアの文化についての質問が多くありました。 小論文テストの様子
1ヵ月の国内研修の締めくくりとして、4月23日(火)に元ホテルオークラ総料理長の高木裕美知様をお招きして、創造料理ワークショップを開催しました。このワークショップの狙いは、普段は眠っている人間の五感をフルに使いながら、未知の物事にどのように取り組むか、そしてチームの中でどのように自律的に動くかを学ぶことです。 元ホテルオークラ総料理長 高木 裕美知 様 このグループワークでは個々人の性格や行動が明確になります。今回はすでに1ヵ月間同じ研修を乗り越えてきたチームなので、素早く役割分担しながら、そして楽しみながら調理をすることができました。全員同じ材料で同じ順番で料理しているのですが、調理人によってすべて味わいが異なることにも気づきました。個人がそれぞれの持ち味を活かしながら自律的に協力する、この先6ヵ月間を共に乗り越える強力なチームができました。 5月からはいよいよマレーシアでの語学留学が始まります。語学力のレベルアップだけではなく、多民族国家のマレーシアで様々な文化や価値観を学びます。これもデザインシンキングの観察の1つであり、参加者の視点をグローバルな視点に転換していきます。
・イベント告知ページ ・【シンガポールレポート】国内研修第1週目「イノベーターズ・マインド」 ・【シンガポールレポート】国内研修第2週目「デザインシンキング」
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